ウォータフォール脳とアジャイル脳

今回は「ウォータフォール脳」と「アジャイル脳」について考えてみたいと思います。
あなたは「ウォータフォール脳」ですか?「アジャイル脳」ですか?


まずはアジャイルソフトウェア開発宣言から考えてみましょう。
アジャイルソフトウェア開発宣言では4つの価値と12つの原則について述べられています。
http://agilemanifesto.org/iso/ja/

<4つの価値>
プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を、

どうもウォータフォールの大事にしている価値観とは違いますね。
アジャイルのこれらのマインドセットはウォータフォールのそれと対極にあると考えて良いのではないでしょうか?

あなたは何に価値を覚えますか?
それによってあなたが「ウォータフォール脳」か「アジャイル脳」かが判明するかもしれません。


また、アジャイルアライアンスの創設メンバーでもあるマーティン・ファウラー氏もAgile Conference Tokyo 2011にて両者の違いを
 「予想的な計画(Predictive Planning)⇔ 適応的な計画(Adaptive Planing)」
 「プロセス主導⇔人主導」
というものであると思います、と述べています。

http://www.publickey1.jp/blog/11/21agile_conference_tokyo_2011.html
※両者と言いましたが、マーティン・ファウラー氏は「アジャイル開発⇔計画駆動型開発」の比較について述べられています。(ウォータフォールに特定はしていません。)

あなたは「Predictive Planning派」ですか?それとも「Adaptive Planning派」ですか?
それによってあなたが「ウォータフォール脳」か「アジャイル脳」かが判明するかもしれません。


ここまでは両者の価値観や思想について考えました。
次はもう少し現実的な方向へいって、それぞれの評価方法について考えてみます。

ウォータフォールでは「計画こそ神」の考えがあり、その評価方法は「いかに計画通りに進んだか?」ということが指標値になると思います。
「計画=実績」ならば100点、「計画≒実績」ならば80点、「計画>実績」または「計画<実績」ならば50点といったところでしょうか。
ここで大事なので「計画<実績」でも評価は50点であるということ。(もちろん場合によりますが。)
ウォータフォールでは顧客または開発者の関心事は「計画」にあることが多く、「いかに計画通りに進めるか」というのが1番の目的になってしまいます。
そしてそのことによって、ソフトウェアの品質が置き去りにされることが少なからずあると思います。

一方アジャイルでは「動くソフトウェア」に焦点を絞って評価します。
計画は変動することを前提とし、またそれを受け入れることを前提とします。(アジャイルでは「インクリメンタル計画」と言ったりします)
つまり作成されたソフトウェアがどれだけ顧客に価値を見出したかがこそが評価軸であり、それこそがアジャイルの評価スタイルなのです。

あなたは「計画通りに進んだ」かどうかを評価しますか?それとも「ソフトウェア自身の価値」を評価しますか?
それによってあなたが「ウォータフォール脳」か「アジャイル脳」かが判明するかもしれません。



海外ではすでにプロジェクトにアジャイルプロセスを採用するのは当たり前で、今の関心事は

「いかにして大規模プロジェクトにアジャイルプロセスを採用するか」

ということになっているそうです。
対して日本の現状は・・・決してアジャイルプロセスに明るいとは言えません。
日本にも「アジャイル脳」な方が増えて、今後より一層アジャイルプロセスが広がってゆけばいいなと思いつつ、考察を終えます。