祖父を見送りました

先日祖父が亡くなりました。
弱々しくはありましたが亡くなる5時間前まで会話できていたので「急だったな」とは思いますが、その表情は普段寝ている時の表情そのものだったので、なんとなく苦しまずに逝ってくれたのかなと少し安心する気持ちもありました。
地元に戻ってきて約2年、享年96歳、正直どれだけ孝行できたのかは疑問ですが、長生きして孝行する時間をたくさん作ってくれてありがとうと言いたいですね。

祖父のサポートのためにリモートワーカーに

私は生後半年で母親を亡くし、物心つく頃から祖父が母親代わりとなって育ててくれました。
その祖父をサポートするためにリモートの道に進んだのでした。

7月から愛媛でリモート勤務になります。 - ITエンジニアとして生きる

当初はリモート特有のコミュニケーション方法に困惑したり、新しい環境での仕事の進め方に慣れなかったりと色々苦労しました。
ただ自分は祖父をサポートするために帰ってきたわけで、自分の仕事すらうまくやれないようだとそんなことできないし、弱音なんて吐いていられなかったんですね。
苦しい時期を乗り越えられたのは、もちろん仕事に対する責任感とか向上心とかもありますが、一番はそういった想いがあったからだと思います。
祖父の存在が色んなものを越えさせてくれたんだと思います。

リモートという働き方を選んで良かった

生前、平日にもかかわらず、祖父をかかりつけの病院へ連れて行ったり、銀行やスーパーに一緒に行ったりなど、日々の生活のサポートを少なからずやってきました。
これはリモートという働き方を選んだことによって実現できたものだと考えています。
もしどこかの会社に出社していたとすると、その度に中抜けするのも難しい(心苦しい)と思いますし、まずその会社が家の近所かどうかということも関係してきて、なかなかこのような形のサポートは実現しづらかったのではないかと思います。

リモートワークでは成果を出すことを大前提に、基本的に時間の制約は外されます。
極端なことを言えば1日2時間の作業でも成果が伴えば OK だということです。
短い時間で成果を出して余った時間で祖父をサポート、それが私の実践してきたことでした。

(ただ勘違いしてはいけないのは、成果が大前提ということは、例えば1日20時間働いても成果が伴わなければ NG だということです。実際リモートを始めた頃は色々不慣れな部分があって、毎日12時間くらいやってましたが、それでも全然成果を出すことはできませんでした。まずは自分の能力を高めて短い時間で成果を出せるようにすることが大事で、それができるようになると時間に囚われることなく行動できるようになるのがリモートワークの利点だと思います。)

人生とはつくづく分からないもの

祖父は体調を崩してから入院、その後ショートステイで施設に入所してそこで息を引き取りました。
次に本入所する施設も決まっていましたし、まだまだ先の予定も立てていて祖父とはもう少し一緒の時間を過ごせると思っていたんですがね・・・ホント人生は予定通りにいかないものです。

予定通りにいかないからこそ思うのは「人生はいつ終わるかわからない。だから自分のやりたいようにやるのが1番」ということです。
2年半前は愛媛に帰ってくることもリモートで仕事をすることも全く考えてなかった自分、色んなことがあって今こうしてブログを書いている自分、全く違い過ぎてホント不思議ですが、こういう道を選んで少しだけ祖父に寄り添うことができて、満足はしていませんが納得感ある日々を送ることができたと思っています。

自分のやりたいようにやるということは色んな面でエネルギーがいるかもしれませんが、その苦労を考えて行動しないよりも、行動を起こした方が「やり残した感」が無くていいんじゃないかなと思います。
断言はできないけど、その苦労の先にはきっと何か得るものがあるんじゃないかと思います、たとえそれがうまくいかなくても。
これからもそういう指針で行動していければと考えています。

さいごに

大切な2人へメッセージを贈って終わりにしたいと思います。



祖父へ

だいぶ食も細くなっていた中、最後にたくさん食べてくれたのは僕の下手くそな腕でさばいたカワハギの刺身でしたね。
すごく嬉しかったし、これからちょっとずつ食欲も回復していって、まだもう少し一緒の時間を過ごせると思っていました。
残念な気持ちもありますが、安らかに逝ってくれたであろう表情を見て天寿を全うしたのだと思いました。

もう下手くそな腕で魚をさばかなくていいのかと思うと寂しいです。
もう仕事の合間をみてお見舞いに行かなくていいのかと思うと寂しいです。
もう娘の動画を見せた後の笑顔が見れないかと思うと寂しいです。

色んな寂しい想いを抱くくらい愛情を注いでくれてありがとう。
もう少しあなたの余韻に浸りながらやっていこうと思います。
いつかまた会いましょう。



妻へ

僕の決断を尊重してくれて、祖父が体調を崩してからもそちらを優先させてくれて、理解あるあなたに感謝します。
まだ娘も小さく、色んな部分で負担をかけたと思いますが、それを感じさせなかったあなたに感謝します。
あなたがいなければきっとたくさんのことを後悔していたことでしょう。
あなたのおかげで祖父に少しだけ幸せな人生を歩ませる手助けができました。
ありがとう。これからもよろしくね。